メシトモ!
 すべての料理が運び終わり、最終チェックをし、準備完了となる。あとはお客様を迎え入れるだけだ。

 六時半になり、予約のお客様や宿泊のお客様、食事だけのお客様がちらほらと入ってきた。

 席まで案内されたお客様が料理を取りに行き戻ってくる。このタイミングに合わせて、トレンチ(料理を運ぶためのお盆のこと)の上に生ビール、ワイン、カラフルなカクテルを乗せる。ほどよい笑顔を浮かべながら、テーブルにアルコールを並べる。

 ドリンク関係の給仕を終える頃には、空のお皿の回収が待っている。それを繰り返しいると、料理の補充や空いたテーブルの片づけも同時進行となる。

 そして夕飯時となる八時少し前から人がどっと増える。そこからは仕事量も一気に増える。やっていることは同じなのに密度が変わる。それはどれだけ視野を広く取りながら仕事をしていくかが大事だ。そうしなければすべてのお客様にサービスを行き届かせることはできない。慣れていないバイトの子たちに、タイミングを見計らいながら、優先してもらうべきことを伝える。

 ビュッフェの最終入店時間は十時のため、九時を過ぎると少し落ち着く。入ってくるお客様よりも帰っていくお客様の方が多くなる。

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