メシトモ!
 久しぶりにお父さんの文字を見た。相変わらず、少し右下がりの優しい文字だった。

 涼太の字は相変わらず汚い。もっときれいに書きなさいよ、とメモに向かって言った。

 テーブルに載っているサンドイッチとサラダのラップを外す。両手を合わせて「いただきます」と言ってから、サンドイッチを掴んだ。

 朝からこんな具沢山のサンドイッチをよく作れるなと感心しながら頬張る。

 トマト、レタス、ゆで卵、マスタードのサンドイッチ。チーズ、ハム、マヨネーズのサンドイッチ。ポテトサラダとピクルスのサンドイッチ。

 どれもこれも美味しい。やっぱり涼太はいつでも嫁に行ける。

 お皿を片付けて、近くのスーパーに行くことにした。家の冷蔵庫を見たらビールが少なかった。なら買い足しておいてあげよう、と思い立った。

 倹約家の二人はビールではなくて発泡酒をいつも買っている。たまにはいいじゃないか、ビールでも。少し値の張るビール六缶を買って、冷蔵庫に入れておいた。

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