未知の世界3
大学と病院は隣同士なので、近いは近いけど、大学の敷地が広すぎるので、病院まで急いでも15分はかかってしまう。
やばいよ。行きたくないよ。今更。
だって進藤先生、絶対に怒ってるよ。
私は三週間前の退院の時の進藤先生の言葉を思い出した。
検診は必ず行くこと。
今回は、傷を診てもらわないといけないんだった。
走ってしまえば早く着くけど、走ったところですぐにバレるから、とにかく走る手前で早歩きをした。
これなら大丈夫。
今まで大丈夫だったんだから。
私は、大学の門を出るところで、少し呼吸が上がっていることに気づいた。
ここから病院は、誰が見てるかわからないから、歩いて、とにかく歩いて、でも急がなきゃ。
と自分に言い聞かせて、急いで向かった。