未知の世界3

今日で補修は終わり。来週の週明けに単位を取るための試験がある。




はぁ。帰るのが憂鬱。





と大学を出てマンションに向かって歩いた。





途中、病院の目の前を通ったけど、気まずくて見ることができない。





目を反らして歩いた。




はぁ。憂鬱。




と何度ため息をついたのか、気づくとマンションのエントランスに着き、重たい頭を上げて、エレベーターのボタンを押した。



すると後ろから、




「そんなに憂鬱か?」




もしや、、、、、この声は。




振り返ると、幸治さんがいた。





「病院の目の前をすたすた歩いていく憂鬱そうな女がいたから、具合でも悪いんじゃないかと思って、後をつけてきた。」





う、、、、、、これは怒ってるのかなんなのか、わからない。




とりあえず謝ろう。心配かけたんだから。




「ご、ごめんなさい。」




私は幸治さんに向き合って、頭を下げた。




ゴツン!




「っいた!」




幸治さんにゲンコツで頭を叩かれた。




痛い。ズキズキして、地味に痛い。




「ちゃんと話してもらうからな。」




と言われ、扉の開いたエレベーターに乗り、部屋に向かった。
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