未知の世界3

「で、なんで検診に来なかったんだ?」




部屋についてソファに座らされてすぐに、尋問が始まった。




「ずっと、、、、忘れてて。」





「俺、朝に言ったよな?」




「それが、、、、、全く覚えてないんです。」





「は?」




「そう幸治さんに言われても、全く聞いた覚えがなくて。幸治さんにその日の朝、話かけられていたことも覚えてません。」





「はぁ。退院してからずっと部屋に閉じこもって勉強ばかりしてて。たまに俺が話しかけても、全く聞いてない様子だったけど。




やっぱりその日も聞いてなかったんだな。」




「ごめんなさい。」





「で、なんでそんなに勉強ばっかなの?今まではもっと余裕があったのに。入院して授業についていけないか?」




「いえ、、、、、違います。




入院してて取れなかった単位を補修をして、最後にテストを受けて合格したら、その分の単位をもらえるって大学から説明を受けて、、、、、



来週の週明けにテストがあるから、それは落ちないようにと思って勉強してました。」




「はぁ、そういうことだったの。




でも、どうして昨日は診察を嫌がったの?」




「だって、進藤先生、鬼のように怖い、、、、から。




大学の補修のことを話しても、きっと言い訳としか思われないと思ったし。




それに、幸治さんから検診があるって聞いても、耳に入ってこなかったくらいだから、進藤先生に言われたとおり、本当に病気を治す気がないんだって思って。それで。」





「はぁ。わかった。検診は改めて予約するから。」




もういい。検診したくない。月に一度なんて嫌だよ。どうせ数値は悪いだろうし。




私は思い切って、首を振った。




「も、、、、う。いいです。」




「は?なにが!?」




また怒らせてしまった。




「検診、、、、、、」





「馬鹿か!そんな甘ったるい考えが通用すると思うか!?




来週、テストが終わってから、必ず検診だからな!」




嫌だよ。退院してようやく平和な生活が戻ったのに。




自分から病院に行くなんて。



それで数値が悪くなってたら、また入院じゃん。
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