未知の世界3

「よく頑張ったね。少し休憩しよう。」




時間にするとすぐに終わる診察なのに、私にはすごく長く感じた。




ただ心音を聞かれただけなのに、私はひどく疲れていた。




目がトロンとなっているのがよくわかる。




「次は喉をみたいから、大きく口を開けれるかな?」




とゆっくり私にいう先生。




私は再び看護師さんを見ると、




「大丈夫だよ。あーん。」




と言われ、看護師さんを見ながら、大きく口を開けた。




「はい、いいよ。頑張ったね。次は、そのままにしてて。」




と言われ、ふいに両頬のリンパを触られた。




嫌!



私は進藤先生の手を押しのけていた。





やめて、何急にそんなことするの!?





「はぁはぁはぁ。」




と呼吸を荒げ、少しして落ち着くと、自分でなぜ進藤先生を怖いと思ったのかわからない程、気持ちが変わっていた。




さっきまで、怖いと思っていたのに、今は大丈夫。




触られると、ダメなのかな。





次に点滴を看護師さんからされた。




「これは?」




と私が聞くと、進藤先生が、




「かなちゃん、夜ご飯食べなかったでしょ?食欲ない?」




私はうなづいた。




「この点滴は栄養剤。また明日も食べられなかったら、点滴するね。




入院すると、かなちゃんは体力が落ちやすいから。




喘息が出るたびに熱が出てるのはそのせいだよ。」




と説明を受けた。




熱のせいか、ただなんとなく聞いていた。




最後に、看護師さんが私の左頬にハンドタオルを巻いたものをおいてくれた。




私は少し左に顔を傾けると、それが冷たくて頬を冷やしてくれてるんだとわかった。





冷たくて気持ちいい。




頬が腫れていると自覚すると、幸治さんに強く叱られたことを改めて思い出す、また涙が出てきた。




冷たい頬に涙が流れた。




私はトロンとした目を開けているのが辛くて、目を閉じて、眠った。




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