未知の世界3

病室には先に進藤先生がいた。






ベッドに横になるように言われ、ベッドに上がろうとするけど、また痛む。






昨日、痛いときはちゃんと言いなさいって進藤先生に言われたけど、なかなか簡単に言えるもんじゃない。






だって、怒った顔してるんだもん。






私は痛みを我慢してベッドに乗った。







そして体温を測って、診察を受けた。







以前に比べて、診察を怖いと思わなくなってきた。




なぜだかはよくわからないけど。     






診察が終わると、進藤先生が、





「昨日の検査結果だけど、喘息は良くなってきてる。





胃は少し荒れてるけど、投薬を続けるだけで治りそうだから、あと2、3日で退院だから。熱が出なければね。」






退院!?やったぁ!
       





「ところで、昨日はなんで抜け出した?」 






えっ!?
その話、、、



もう終わったことだと思ってた。







「どうして自分の体を大切にしないかなぁ。無謀なことをしてるのはわかってる?」





「昨日は、少し体が良くなったって思ったから、、、」






「少し良くなった、って。完治してないのに動いたら、また振り返すに決まってるでしょ。」





「そんなこと、、、ないです!そんなに病弱な体じゃありません!」





私は本当は自分が一番よく分かっていたけど、ついむきになって言ってしまった。




「発作に発熱、嘔吐。昨日は診察して検査して、それだけで疲れて寝たでしょ?」






う、、、




「疲れてないです、、、。」













「それに、俺がマンションに着いたとき、どこで何してたんだ?」






うう、、、トイレで吐いてた。





「でもっ!あれから吐いてません。」




苦しい言い訳。






「何も食べてないからな。」





はぁ、、、





「それから、なんだこれは?」




「いたっ!」





膝を触られる。





膝を見ると服に血がにじんでる。






「これはさっき、、、」





「痛い時はちゃんといいなさい。食事が摂れない時も、戻した時も。」





だって、言ったら点滴されるし、痛い思いするだけだし。






「痛くありません!」










また嘘を、、、、、





「また強がりを。」







「強がりじゃないですっ。」





 
と先生に反論して、私は布団に潜った。





少しして、先生が部屋から出て行った。






はぁ、また私は先生に刃向かっちゃった。






なんて馬鹿なんだろう。


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