未知の世界3
「じゃあ、かなちゃん、お大事にしてね。」
と翔くんのお父さんに言われ、私は
「ご迷惑をおかけしました。
ありがとうございました。」
と言い、幸治さんと翔くんの家を出た。
翔くんの家を出て、幸治さんの車に乗り込むと、幸治さんが、
「昼は過ぎたけど、食欲あるか?」
「うーん、微妙です。何か軽いものなら食べれるかも。」
と言うと、近くのファミレスに行くことになった。
ファミレスで、幸治さんは定食を頼み、私はうどんを頼んだ。
なんとか胃に入れた。少し無理したけど、食べないと治らないし、それ以上に目の前に主治医でもある幸治さんがいるから、と思いなるべく食べた。
すると私の顔をチラッとみた幸治さんが、
「お前、ちゃんと飯食ってたか?」
と言う。
幸治さんのいない間、まともに食べていなかった。
一人だと、どうも食事を作る気がしない。
嘘をついたところで、幸治さんにはバレてしまう。
「実は、ほとんど食べてなくて。
食欲もなかったし、一人だと食事を作る気がしなくて。」
と言うと、
「やっぱり。頬がこけてるぞ。」
と言うと、幸治さんは食事のことを、それ以上何も言わなかった。
ファミレスを出てから、幸治さんは車を走らせた。
私は体調がすぐれなくて、そのまま助手席で寝てしまった。