未知の世界3
~昨夜、消灯を迎えた402号室~
全員が寝静まるのを確認して、さっちゃんが動き出した。
ベッドから降りて上着を羽織り、靴を履く。
静かに真っ暗な廊下へ出て、人がいないのを確認。
エレベーターの隣にある階段を使って、一階に降りていく。
一階に着くと、夜間出入口に向かった。
こんなにすぐに来れるのは、日頃ベッドを抜け出して、病院を散策していたから。
出入口の警備員は、小窓から廊下を見ているため、小さなさっちゃんが通り過ぎるのには気づいていない。
難無く、外に出たさっちゃん。
「ふぅ~、何とか出られた。」
と言い、病院の敷地からどんどんと離れて行く。