未知の世界3

それから一週間以上が経ち、私の研修は終わった。





終わってみると、何の勉強が足りないのか、よくわかった。




そして、改めて小児科へ行きたいという気持ちが強まった。




研修が終わっても402号室には、遊びに行こう。




来週からは再び大学、と休憩所で思っていると、早川先生が私を呼びにきた。






「あ、いたいた。




かなちゃん、進藤先生が探してたよ。小児科の医局に来て。」




と言われ、早川先生の後を追って、医局へ向かった。




なんだろう。今日の吸入のことかな。。。。




と思いながら医局に行くと、そこには進藤先生と幸治さんがいた。




私は医局のソファに座らされた。





「研修はどうだった?勉強になったでしょ?」




と進藤先生に言われ、私は、




「はい!」




と答える。




「疲れたでしょ?」




と進藤先生にすかさず聞かれた。




ん?何か嫌な方向に持って行かれそう。




私は進藤先生の誘導尋問に乗らないように、黙った。






「ふふふ、僕の話の流れがわかったようだね。」




何、また何か企んでる。




「そう、小児科の研修前の検査で、相当結果が悪かったの。
それなのに、僕も佐藤先生もかなちゃんに研修を受けさせたくて、毎日吸入することを条件にしてたんだけどね。
それでも、かなちゃんの吸入の様子を見ていると、どんどん体が弱っていることがよくわかった。




ひとまず、今日からこのまま入院してほしい。」




へ?




「一週間、様子をみよう。ということがさっき佐藤先生と相談して、決まった。」




へ?へ?へ?
決まった?





幸治さんを見ると、強く頷いてるし!




「いや~、先生方が思っているほど、私は弱ってませんよ。」




と言いながら、ここから逃げようとソファを立とうとすると、後ろから早川先生に押され、





「逃げないの~。かなちゃん、僕が研修中に見てても、やつれていくし、フラフラしてるし、危なっかしかったよ。




今は学生の身なんだから、休んだらいいんだよ。」




と言われてしまった。





そして、今日から私の入院が決まってしまった。
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