未知の世界3

研修を終え、そのまま入院となった私は、呼吸器内科の個室でパジャマに着替えた。



さっきまで白衣を着て仕事してたのに、変なの。



医者になったら、こんなことは許されないよね。



本当、嫌な体。




と思っていると、扉が開き、幸治さんが荷物を持って入ってきた。




「これ、着替えやタオルが入ってるから。」




鞄の中を確認すると、いつもの入院セット。




さすが幸治さん。慣れてる、、、、、



私は幸治さんに聞こえるか聞こえないかっていうくらい小さな声でつぶやいた。




「私って、一生こんな感じなんですね。」




と言うと、すぐに幸治さんが私を見たのがわかった。




「まぁ、しょうがないだろ。喘息なんだし。



もっと体が丈夫になれば、喘息は減っていくからそんなに気を落とすな。」




そうかなぁ。そんな風には思えない。




「自分を治せないのに、人を治せるのかな、、、、、」



これは聞こえてないと思った。




けど、すぐに幸治さんが、




「そんなこと心配するな。まず6年間大学で勉強して、国家試験に受かって、この病院にくれば、あとは俺が教えてやるから。




それから、二年後のアメリカ留学はどうするんだ?」




え?幸治さん、私が留学したいこと知ってたの?




「かなの今の成績なら、無償で行けるぞ。」




ってなんで知ってるの、私の成績。




「はい、、、、、留学したいと思ってます。お父さんたちにも会いたいですし。



留学と言っても3ヶ月ですよね。」





「ああ、二年後に、もしかしたら俺も一緒にアメリカへ行けるかもしれない。



同じ病院とは限らないけど、その時期にアメリカで半年働きたいと思ってる。



かなに合わせて行けるといいけどな。」




「え!幸治さんも一緒にいけるんですか!嬉しい。」



「あぁ、もし親父たちがいいっていうなら、親父たちの家から通おうと思ってる。



まだどこの病院か決定してないけど、うちの病院の姉妹病院なら、たぶん親父の家も近いしな。」




お父さんたちと一緒に!!いつか行きたいと思ってた。お父さんたちの家。




私は、ますます二年後のために勉強しようと心強く思った。




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