未知の世界3
顔を上げると、そこには見たことのある顔だった。
そう、以前私が大学で体調の悪いときに助けてくれた、小児を講義していた教授だった。
二年生になってから、教授が変わっていたけど、何とも思わなかった。
「かなちゃん、また会えたね。
これから、君の主治医となる進藤だよ。
よろしくね。」
と言う。
「ケホッ、、、ケホッ、、、」
咳が出て、まだ言葉は出せない。
「喘息持ってたんだね。あの時も辛かったね。
明日から、呼吸器内科に移るから、今の怪我と一緒に治していこうね。」
と言うと、看護師さんに引き続き吸入を続けるように指示し、部屋を出て行った。
気づくと腕には点滴がされていた。
時間にして、発作は30分もなかったけど、私には1時間も2時間にも感じた。
体が疲れきっていたので、今日はもう眠ることにした。