未知の世界3
「じゃあ思いっきり息を吐いてね。」
と進藤先生が言う。
私は思いっきり息を吸って、はこうとした。
すると、
「いたっ!」
全身に痛みが走った。
「大丈夫っ?」
と進藤先生に言われ、俯いていた顔を覗かれる。
私は痛みで体がズキズキしながら、進藤先生に頭を左右に振って大丈夫じゃないと合図をした。
「困ったなぁ。」
と頭を抱える。
「昨日発作が出たばっかりだから、早く今の状態を知りたいんだけど。」
と進藤先生が続ける。
無理してでもやらなきゃならないよね。
早く退院するんだもん。
「もう一度、やります。」
と言うと、私は大きく息を吸って、思いっきり吐いた。
再び激痛が入って、目に涙が浮かんだ。
「かなちゃんっ!無理したらダメだよ。」
という進藤先生。
でも、、、早く退院したいし。
と思いながら顔を上げると、、、
私を明らかに睨んでる幸治さん。
「か、、、、な、、、ちゃあん。
何、勝手なことをしてるの?」
言葉は優しいけど、言い方がなんとも言えないくらい怖い。
なんでそんな恐ろしいのかな、、、。
「体が痛いんだろ!?」
と怒鳴られる。
私は思わず、下を向いて、
「もう痛くないです!」
と反抗する。
「うそだっ!痛いの我慢してんだろ?」
「違うもんっ!」
「じゃあ、体、触ってやるよ」
ぇえっ!それは困る!
私は自然に体を触られないように手でガードした。
「ぷっ!」
と吹き出す進藤先生。
「何、その痴話喧嘩~。」
と笑いながら言う。
痴話喧嘩なんかじゃないもーん。
怒られないように必死なんだもん!
「かな、本当は?」
「、、、、、痛い。」
というと、進藤先生は、
「僕のことを思ってやってくれたんだね。
無理しなくていいからね。
じゃあ、吸入しようか。」
という。
えっ?ここは免除じゃないの?
と進藤先生の顔を見ると、幸治さんに、
「これで終わりと思ったら、大間違いだ!」
ってまた怒られた。