未知の世界3
翌朝リビングに行くと、置き手紙があった。
手紙を手にすると、
『今日から出張。
来週金曜日に帰る。
何かあったら連絡しろ。』
と、文面からまだ昨日のことを、怒っているようだった。
そうだった。今日から出張って言ってた。
昨日のことがあるから、今朝は顔を合わせなくてもいいから、少しホッと安心した。
けど、この家で一人なんて、幸治さんの泊まりと出張の時くらい。
今回は初めて、幸治さんが一週間も出張する。
少しだけ、寂しい気持ちになった。
幸治さんがいないし、今日は大学がお休みだから、朝ごはんは作らなくてもいいやと思い、シャワーを浴びて部屋で勉強した。
大抵の休みの日は、幸治さんも家にいる。
だから私一人の家が、とても静かに感じる。
お昼ご飯も食べる気持ちにならなくて、お昼も抜いて勉強した。
授業についていけなくて、焦れば焦るほど追いかれてしまう。
こういうときこそ、一度落ち着こう。
と思って深呼吸する。
なんだか、口から出る空気が熱い。
嫌な予感がした。
でも、気付かないように自分に言い聞かせ、再び勉強を続けた。
夜になってもなかなか食欲がわかなかった。
明日も休みだし、嫌な予感もするから、今日は早く寝ることにした。