未知の世界3
~かなの寝静まったころ~
かなの部屋に進藤先生が入る。
寝ているかなの額に手を当てる。
脇に静かに体温計を挟む。
持ってきた氷枕を静かに交換した後、聴診をする。
聴診器を当てなくても静かにしているとゼイゼイと喘鳴が聞こえる。
体温計が計測し終わり、音を鳴らしているので、手に取ると38度。
あまり熱は下がってない。
「ケホッケホッ
ゲホッゲホッ
ハァハァハァ
ゲホゲホゲホっ!」
と寝ながら発作を始める。
部屋に置かれた吸入を用意し、口に当てる。
「ゲボゲボゲボゲボっ!」
うまく吸えていない。
体が怠いからか、なかなか起きない。
「かなちゃん!かなちゃん!起きて。」
意識を飛ばさないように、かなを進藤先生が起こそうとする。