未知の世界3
朝、目が覚めたけど、体が怠い。
熱も下がってないみたい。
さっき、看護師さんが計りにきたけど、何度だったんだろう。
すると、部屋の扉が開く。
「かなちゃん、おはよう。」
進藤先生。
「おはようございます。」
と返すと、後ろには、、、、、
幸治さんが続いて入ってる。
「熱はどう?」
といい額を触る進藤先生。
「あんまり熱が下がってないね。
聴診と喉見させて。」
と言われ、服をまくる。
あんまりいい顔してない、進藤先生。
「はい、じゃあ喉見させて。」
と言う。
私は昨日のことがあったので口を開けたくない。
はぁ、嫌だなぁ。昨日より痛いんだもん。
「かな、どうしたの?」
とそれまで黙って見ていた幸治さんが、少し怒った声で言った。
「かなちゃん、あーんって口開けて言って。」
進藤先生が促す。
嫌なんだよね。ほんとに。
と思いながらも、渋々口を開ける。
「あー、
っつ!痛い。」
喉を大きく開けるだけでも痛い。
「もうちょっと頑張ろ。」
と進藤先生。
「あーーー。」
涙が出てきそうなくらい痛い。耳の奥がポカーンっと音を立ててる。
「はい、このまま薬塗るよ。」
えっ?まだ?もう無理!
と思い口を閉じた。
「もう一回!」
進藤先生が続けて促す。
「痛い、、、、」
と私は喉を押さえる。
「喉の痛みは長引くから、早めに治そ?」
と進藤先生。
なかなか口を開けない私を見て、進藤先生が幸治さんに何か言ってる。
「かな、そんなに痛いの?俺に見せて。」
といい、私の両頬に手を当て口を開けさせた。
恥ずかしい。幸治さんが私の喉を覗いてるっ。
喉の痛みより顔が熱くなる方に気を取られてしまう。
「はい、終わったよ。」
と幸治さんがいう。
「さすが佐藤先生っ!かなちゃんは佐藤先生なら、なんでも受け入れてくれるんだね。」
と進藤先生がいう。
「進藤先生の診察もちゃんと受けなさい!」
と幸治さんが私にきつくいう。
「けど、僕も相当、最初は苦労したんです。
初めて診察した日なんて、すぐ逃げて、、困ったもんでしたよ。」
と進藤先生にいう幸治さん。
「そんなことがあったんだね。
かなちゃん、僕の時は逃げないでね。」
と進藤先生がいう。
私は、熱がまた上がってきた気がした。
進藤先生と幸治さんの会話があまり頭に入ってこない。