未知の世界3
~朝の回診~
扉が開くと、かなの部屋に入る進藤先生。
「かなちゃん、おはよう。」
と声をかけるけど、寝ている。
「かなちゃん、かなちゃん。」
全く反応がない。
額に手を当てると、まだ熱は下がっていない。
一緒に来ていた看護師が熱を測る。
38度。
「かなちゃん、起きようか。」
と体を進藤先生が揺すってみる。
それでもかなが起きる様子はない。
寝た状態でパジャマを開け、胸に聴診器を当てる。
呼吸に異常はなかった。
次に腹部の傷の消毒。
ガーゼを見ると、ガーゼから血が溢れ出ていた。
ガーゼを外すと、明らかに傷が開いている。
「これは、、、」
何があったのか、進藤先生は首を傾げる。
看護師に急いで縫合セットを用意させる。
ベッドに寝かせたまま傷を消毒して、縫合を始める。
ガーゼを貼付け、処置を終わらせる。
かながねたまま顔を傾ける。
進藤先生がそれに目をやると
「え?」
と言いながらかなの前髪をよける。
「先生っ!!」
と看護師が言いながら、進藤先生の顔を見る。