未知の世界3

最後の授業が終わるころ、私は体中が痛くて、なかなか席を立てなかった。





授業は小児についての講義。





教授は見た目、45歳くらいだろうか。教授の中でも若いと思う。






私の様子に気付いたたけるが、私のそばにくる。 





「かな、相当やばそうだな。立てるか?」  





と顔を覗かせる。





私は、





「もうちょっと待って。」







といい、立ち上がる前に深呼吸をした。





教場に残った生徒は、私とたけるだけになったので、その様子を見た教授が、私たちに近づいてきた。






「どうした?」





と私の顔を見て、すぐに私の額に手をやった。




さすがここは医学部のある大学。




目の前にいるのは、医者だっていうことを改めて感じた。





教授は私の首筋に手を当てる。






「ここを触診するのはね、甲状腺やリンパ腺が腫れていないか、硬さはどうかっていうことを確認するんだよ。
ウイルス感染していないか。悪性リンパ腫じゃないかってことも念頭においておく必要がある。」





と私とたけるにいう。

 




私はそういうことだったのかぁと思いながらも、重たい頭とだるい体を立てていることに必死だった。





「とりあえずこの子、医務室に運べる?





僕もすぐ行くから。それから、親御さんに連絡取れるかな?」






えっ?幸治さんはまだ帰らないし、帰っていても連絡とらないで。






「親は、、いません。





大丈夫、、、です。






これからタクシー呼んで、





病院に行きます。」







と言い終えると、







ケホッケホッ




と咳が出てきた。






体が悲鳴を上げるってこういうことなんだと思いながら、立ち上がった。





「本当に、ちゃんと病院に行ける?」





と教授に念押しされ、私はしっかり頷き、荷物を持って、歩いて出ていこうとした。






しかし。1メートルもしないところで、  






バタンッ





と、勢いよく床に倒れた。



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