未知の世界3
「退院おめでとう。」
車の前で立っているのは幸治さん。
荷物も先に積んでくれてる。白衣を着た幸治さんはすごく厳しいけど、それ以外では本当は優しい。
「ありがとう、、、、、ございます。」
幸治さんに促されて、助手席に乗る。
病院から車が出る時、やっと家に帰れるんだと思うと、本当に嬉しくなった。
そして、これからまた幸治さんとの生活が待ってると思うとつい、頬がゆるんだ。
「なんでそんなににやけてるんだ?」
と少し笑いながら幸治さんが話しかけてきた。
うわぁ、私ったらものすごい恥ずかしい。
頬がゆるんだのがバレてた。
「また、、、家に帰れると思うと、嬉しくって。」
「もう酒は飲むなよ。それにタバコの煙にも注意しろよ。
何度も同じことで喘息を起こすと、死に至ることもあるからな。」
突然医者の顔になった幸治さん。
ドキっと胸が締まる。
「は、、、い。」
かっこいい。退院する前は幸治さんのこういうギャップが普通だったけど、久しぶりで耐えられるのかな。
嬉しい心配事だけど、、、
ところで、旅行はどこに行くんだろ。