男装騎士~それから~
「つめてっ!なんだ!?」
慌ててぶつかってきたもの、ではなく人をひっぺ返すと。
ぶつかってきたのは子どもで、冷たい感触はアイスクリーム。
べったりと俺の服についている。
おいおいおいおい、勘弁してくれよ。
「ぼ、僕のアイスがっ」
悲惨な状態のアイスを見て、子どもが今にも泣きだしそうになる。
おい、泣くなよ。
俺は子どもが苦手なんだよ!
「泣くな!」
「ふっ、うっ」
だーーーー!!!
「買ってやるから!新しいの、買ってやるから!」
そう言うとガキはすっかり顔色を変え嬉しそうに笑った。
単純な奴め。
ああもう、なんで俺がこんな目に。