男装騎士~それから~
「おいしー」
俺に買わせたアイスをおいしそうに頬張るガキんちょ。
ったく。
俺は近くの川でコイツに汚された服を洗っている。
「おい、俺にも分けろ」
「やだ!」
「んだよ、誰が買ったと思ってんだ、クソガキ」
「おじちゃんが突然現れたからいけないんだもん!」
「おじ・・・!?」
聞き捨てならねぇ!
誰がおじさんだ!
俺はまだピッチピチの24歳だっつの!
こいつからしたらおじさんなのか?
「バカ野郎!俺は、ノアっていう名前があるんだ。おじさんじゃねぇ」
「ノア。ふーん」
「・・・呼び捨てかよ」
可愛くねぇ。
洗った服を広げて岩の上に干す。
これだけ暑けりゃそのうち乾くだろ。