男装騎士~それから~



そんな、未来あるガキんちょに出会ってから俺の中でも何かが変わったような気がする。



それはなんだろう。
そんなもの、はっきりとは分からないけど。




なにかが。
心ん底の何かが。




「ノア、どうかしたか」

「いえ」




俺の前を歩いていたレオさまが振り向きながら尋ねる。
今日は公務として城下の視察にやってきているレオさまのお付だ。


この間、フランが通っていたあの甘味処が借金取りに襲われたこともあり、警備体制を整えるため、城下の治安の調査にやってきているのだ。




「なにか困ったことは?」

「最近、なんだかよそから人が流れてきていてねぇ。その中に物騒な人もいるみたいで」



レオさまが国民に話を聞いて回ると、どこかから流れ着いた者たちがいろいろと問題を起こしているらしい。



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