男装騎士~それから~
それは、なんとも物騒な話だ。
今はまだ小さないざこざ程度らしいが、放っておいたら大きな事件に発展しかねない。
「何事だ?」
「なんか、あっちの方で男が暴れてるらしい!」
突然、賑わいがこちらに流れてくる。
騒然とした城下に緊張が走る。
「レオさま」
「ノア、頼む」
「はっ」
レオさまに指示を仰ぎ、俺は騒ぎの方へ走った。
ただの喧嘩ならまだいいが、間に合ってくれよ。
人だかりが見え、俺はそれをかき分ける。
そしてその人だかりを抜けた時、目の前に何かが吹っ飛んできた。
なにか、人だ。
それも、子ども・・・。
「お前!」