男装騎士~それから~
男が懐からナイフを取り出しガキに振り下ろした瞬間、俺は動きだしナイフを蹴り上げた。
「なっ――――」
男が怯んだ隙を見て、男の腕を掴むと一気に背中に背負い投げ飛ばした。
「ガキ相手に、物騒なもん使うなんてな。てめぇは男の風上にも置けねぇよ!」
「っ!」
「このガキの方がずっと、男だな」
そう言ってガキを見下ろす。
ガキんちょは涙でぐしゃぐしゃの顔で俺を見上げる。
俺は笑って頷くと、男を押さえつけ持っていた縄で男を縛り付けた。
男を力づくで立たせると、俺はガキの前に立つ。
「私は、王の専属騎士、ノアです。少年の勇気ある行動に、感謝します」
そう言って敬礼した。
ガキは目を丸くして口をあんぐりとあける。
「イチ、お前最高だったぜ」
そう言って頭をわしゃわしゃと撫でると男を連行する。