男装騎士~それから~
◇グレンの憂鬱
なんでこう、気苦労は絶えないんだ。
私、グレンは王であるレオさまの側近。
日夜レオさまのためにせかせかと働いている。
しかし、私が気にするべきはレオさまだけではない。
「ユキはどこに行ったのです!」
「お、王妃さまは城下へ・・・」
「またですか!王妃としての仕事が残っているのに!」
ああもう、どうしてああも自由なのだ。
そんなことは今に始まったことではない。
それもこれも、レオさまが、ユキらしくいればいい、なんてハート付きでいうからです。
ユキらしくいることに異論はありません。
ありませんよ。
きちんと仕事さえしてくれればね。