男装騎士~それから~
「これでも飲んで落ち着け」
談話室でどっとたまった疲れを落ち着かせていると降ってきた声に目をあける。
それは、ここにはあまり立ち寄られないレオさま。
「レオさま・・・」
「コーヒーより、紅茶派だっただろう?」
「は、い・・・。ですが、レオさまに頂くなんて」
仮にも私の主であるレオさまに。
私が躊躇っていると、レオさまは私の目の前にカップを置いた。
「いらぬなら、捨ててくれてかまわん」
「い、いえ!滅相もないです。いただきます」
「・・・ユキに手を焼いているようだな」
私の隣に座ったレオさまが世間話のように話しだされる。
躊躇いがちにカップにつけた口を外し、レオさまを見た。
「いえ、あの・・・。すみません。出過ぎた真似を・・・」
「いや」
「・・・ユキに対しては、つい・・・身が入ってしまうと言いますか」
うまく、言えない想いが。