男装騎士~それから~



「すみません。王妃として接しなくてはいけないとわかっているのですが。私は側近失格ですね」



王の一番側にいて皆を纏めなければいけない立場の私がこんな事では。
ユキはもう、私の下についていた騎士のユキではないのだ。

私が見つけ、ここに連れてきたあの頃のユキとは立場が変わってしまった。



「お前が側近失格なら、俺は王失格だな」

「え、な、なにをおっしゃるのですか」

「俺も、あれを王妃としては見ていないからな」

「そ、それはレオさまはユキ・・・さまと結婚されていて、夫婦となられたわけですから」




そんなレオさまと、私が同じでいいはずがない。




「これからも、ユキと変わらず呼んでやってほしい」

「え・・・」

「それができるのは、おそらくお前だけだろうからな」




レオさまが優しく微笑みながら私を見る。
ああ、これはユキを想う顔だ。


ユキを大切に想い、考えている時の顔。



そんなことに気づけるほど、私はレオさまの事もそれからユキの事もずっと見てきたのだ。





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