男装騎士~それから~
「グレン、私ね。グレンの事大好き」
「はい?」
「フランもノアも、私の事ユキさまって呼ぶようになったけど、グレンだけは今でもユキって言ってくれて、前みたいに怒ってくれて。変わらないモノもあるって、嬉しかったの」
ああ。
レオさまは、さすがだ。
ユキの事をよくわかっていらっしゃる。
私なんかよりもずっと。
少しだけ、レオさまに嫉妬してしまいます。
「だからね、グレンに怒られるとなんだかうれしいの」
「バカなこと、言うのはやめなさい」
「ふふっ、でもね、あんまり怒ってると眉間にしわが寄って、戻らなくなっちゃうよ」
プスッと刺された眉間。
私は目を見開いて。
そんな私を、ユキはケラケラ笑ってみていた。
護りたい。
この笑顔を。
私なりのやり方で。