男装騎士~それから~
以前のレオと比べたら、まるで別人だ。
でも、これが本来のレオだったんだよね。
「どこに行きたい?」
「おいしいものが食べたい」
「お前は、食べる事ばかりだな」
ラフな格好に着替え、城下におりた私たち。
城下は賑わい楽しそうな声があちこちから上がる。
「あ、王さま!王妃さま!」
「元気か?フリュー」
「もちろん。おかげさまで、風邪一つ引いてはいませんよ!」
「そうか」
「また家に来てください!またいい野菜が取れたんですよ!」
「ああ。楽しみにしている」
城下におりればたちまちレオの周りには人が集まる。
レオは一人ひとりの顔と名前をすっかり憶えていて、丁寧に対応している。
そんな様子を温かく見守る私も少しずつ王妃であるということを認識され始めていた。
それは嬉しいような恥ずかしいような。
そんな気持ちで・・・。