男装騎士~それから~


一度噴出した気持ちはとどまることを知らず。



「そんなにあの男がいいのか」

「・・・っ、レオのバカ!なんで信じてくれないの!?」




俺の身体を突き飛ばし、身体を離したユキはそう叫ぶと大広間を飛び出した。
止められなかった想いに自己嫌悪しながら拳をテーブルに叩きつける。




「レオさま・・・」

「すまなかった。・・・会はありがたく思ってる。ありがとう」




みっともない姿を家臣たちに見せるなんて。
本当に、王としてらしからぬ姿だ。



ユキのこととなると制御がきかない。




我慢しようにも我慢できず突き進んでしまう。




どんどんわがままになって、独占したくて。






俺だけのモノにしたくて。





「違うんです、レオさま」




フランが、躊躇いながら言う。




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