男装騎士~それから~
「お前の笑顔が好きなのは、俺だけじゃないのに・・・。俺は、そんなお前が好きになったというのに・・・、自分がわからなくなる」
「・・・私だって」
「ユキ・・・?」
突っ伏したままだったユキが顔を上げる。
それでもまだ向こうを向いたままの背中。
「私だって、城下でレオが女の人に話しかけられてるの見るだけで、私のレオなのにっていちいち怒っちゃうし。レオが誰にでも優しいのが腹立つし・・・」
「・・・」
「女嫌いだったレオが、私以外の女の子にやさしいの見ると、凄く嫌だしっ・・・。私だって、いやな女なの」
どうしてこんなにも愛おしいと思うんだろう。
ユキと出会って、こうして結ばれて時間は経ったのに。
飽きることなんてない。
昨日より今日今日より明日、ユキを好きになっていく自信がある。
「ごめんなさい!私、レオに喜んでほしいってそれしか考えてなくて・・・、相手が男の人とか、そんな意識なくて、レオがそんな風に思ってくれてたなんて気づけなくて・・・っ」
「・・・バカやろう」
「レオッ・・・」
「可愛いことを言うな」
こんなにも愛おしい。