男装騎士~それから~
悪夢の中で俺は、何度もユキを殺している。
あの時の、俺が罪を犯したあの日の事を夢に見る。
あの時と違うのは、俺はユキの命を奪うという事だ。
苦痛に歪む表情が、フッと消え無になる・・・。
事切れたユキの亡骸を前に、佇んでいるところで俺はいつもその悪夢から目を覚ます。
それが俺に課せられた罰なのか。
なんて、残酷な罰だ。
レオさまの側で働くようになって1年。
魔物の脅威も逃れ、問題はいろいろと起こるながらも平穏な日々だった。
そんな平穏な中でその悪夢は、俺を逃れさせてはくれない。
俺は、それだけの事をしたんだ。
今のこの状況は、あいつらの優しさで成り立っている。
そんなことは、わかっている。