男装騎士~それから~
「生憎、その日は俺自身も他の外交が入っている。そちらに裂ける人員はお前しかいない」
「・・・」
「不満か?」
「不満なんて・・・」
レオさまの言葉に顔を上げる。
真っ直ぐ突き刺さるような瞳。
俺は戸惑いその視線から逃れるように視線を揺らした。
「過去の事を想って、断ろうと思っているのなら、気にするな。お前は十分にやっている。十分、罪を償うほどの働きは今までしてきたと、俺は思っているが?」
「・・・生温い。俺には、あなたたちのそういったところが、生温くて仕方ない」
俺は、ずっと王族を恨んできた。
恵まれなかった自分を嘆いて、その鬱憤を王族を恨むことで晴らしていた。
その結果、あんな過ちを犯して。
許されたなんて思っていない。
俺は、許されていいわけがない。
俺は、心を殺すところだった。
命を奪う所だった。
その重みは、よくわかっている。
「少し、考えさせてください」
どうしても、首を縦に振ることができなかった。