男装騎士~それから~
「ユキは。お前の傷を自分のせいだって責めてた。一睡もせずお前の看病をして、倒れて眠らせている」
「え・・・」
「そんなユキの思いを忘れるな。お前の命はもう、お前だけのものじゃないんだ」
レオさまの言葉が胸に突き刺さる。
自分だけの命じゃない。
傷つけば、悲しんでくれる人がいる。
なんて、幸せなことだろう。
俺は、こんな幸せをいつの間にかこんなにももらっていたんだ。
「・・・ん。か、カイ!?」
勢いよく起き上がったユキが俺を見た。
目を見開き、俺を見つめたままそのまま笑顔に表情を変えた。
「よかった、カイ!目が覚めたのね!」
「ユキ・・・」
胸が苦しい。
ユキへの思いが溢れそうで。