男装騎士~それから~
「カイのバカ!」
さっきまで笑っていたユキが眉を顰め怒鳴った。
俺は、驚きユキの座るベッドの横に立つ。
「剣を捨てて私を庇うなんて!バカのすることよ!死んだらどうするの!命を粗末にするなんて、許さないんだから!」
「ユキ・・・」
胸が痛いよ。
そんな風に、叱ってくれるユキが。
嬉しくて。
泣きそうになるなんて。
そんな事、言えない。
「ごめん、ユキ・・・。もう、しないから」
「当たり前よ!」
「ごめん・・・。ごめん・・・」
何度も謝る俺に、ユキは困ったように笑う。
「わかったら、いいの。本当に、生きていてくれてよかった」
そう言ってくれるんだ。