男装騎士~それから~
◇フランの淡い恋心
僕の名前はフラン。
フリーシア王国の騎士だ。
今は王妃になったユキさま付きの騎士だ。
“ユキさま”と言っても、中身はあのユキなんだから。
しおらしく王妃さま会なんてしているはずもないのだけど。
「おーひさまっ!」
今日も今日とて、城下に遊びに来ているユキのお供。
小さな子どもに捕まったユキを尻目に、道の真ん中では邪魔だと建物の側に寄ったところ。
「お疲れ様です」
可憐な上品な声が聞こえ、ハッと顔を上げる。
そこは、小さな甘味処だったようで、店の中から顔を覗かせたウエイトレスの様だった。
真っ白なレースのついたエプロンをつけた、綺麗な金髪の髪の長い女性。
年上、だろうか落ち着いた雰囲気の彼女に思わず見惚れていた。
「あ、ああ。すみません」
「ふふ、いつも王妃さまと一緒におられる騎士さまですよね?」
「あ、はい。フランです。王妃付きの騎士です」
「エリサと申します」
「エリサさん・・・」