あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
思い出したくもない学生時代の話。

「実は大学時代、いつも男3人、女2人で仲良くしていたグループがあったんです。本当に仲が良くてバランスがとれていて、何をするのも一緒でした。」

ますます不機嫌そうな顔に佐川さん。

「まあ、その中の一人です。」

あまり触れたくない過去を私は簡単に話した。

しかし、それが佐川さんの癪に障ったらしい。

「それから?」

じろりと私を睨む佐川さん。

「私は彼が好きではなかったので、それで終わりです。」

その後のごたごたには触れたくない。

きちんと佐川さんの目を見て話す私の誠意は伝わったみたいだ。

「分かった。」

それだけ言う佐川さん。

きっと佐川さんなんてモテるだろうから、いろいろな人とキスしているはず。

そんなに気にする事ないと思うんだけどな…。
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