あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
「そんな事したら、佐川さんはきっとすぐに私に飽きてしまいますよ。」
私は自分に自信がない。
特定の男の人とずっと一緒に過ごすという事が、まだ私にはピンと来ない。
それに…。
「しばらく佐川さんと恋人気分を味わいたいです。」
これも本当の気持ち。
私は真剣な顔で佐川さんを見た。
「急ぐのは辞めませんか。佐川さんだってもっと時間を掛けるつもりだったんでしょう?それでいいじゃないですか。」
ハッとする佐川さんはサラダを口に入れる。
私が佐川さんのもぐもぐ動く口を見ていると、佐川さんは少し気持ちを落ち着けているように見える。
「萌香、浮気しない?」
次に口を開いた佐川さんが言った言葉。
「えっ?」