あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
私はぼそぼそと言った。

「それが萌香の良い所だって分かっているよ。きっと俺の言う通りにならないだろうとは思っていた。変な所で頑固な所がある事も分かっているつもりだ。」

すると佐川さんは何とも言えない照れたような拗ねたような表情になった。

「長い半年間になりそうだ。でも俺も山中建設でしっかり腰を据えて仕事をしなくてはならなくなるだろう。一緒に住めないとなると、忙しくてなかなか会えなくなるかもしれない。」

ハッとする私を優しく見つめる佐川さん。

「でも萌香が選んだんだからな。音をあげるなよ。さっ、食べてしまおう。いつか後悔させてやるからな。」

私はそんな佐川さんに圧倒されながら、微笑んだ。
















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