あなたに包まれて~私を分かってくれる人~

呆れちゃったかな。

また恥ずかしい思いがこみ上げて来た。

やっちゃった…。

私はすごすごとリビングに入って行って、ソファに座らず床にペタンと座り込んだ。

そしてがっくりと肩を落とす。

どれくらいそうしていたんだろう。

そこへシャワーを浴びた佐川さんがタオルで髪をふきながらやって来た。

今まで佐川さんの顔が見えなかった事にも気が付かなかった。

「落ち着いたか?」

クスリと笑う佐川さん。

この辺は私の扱いに慣れているみたい。

「悪い。萌香にシャツを濡らされたから着替えついでにシャワー浴びて来た。ちゃんと声はかけたんだけどな。」

「ごっ、ごめんなさい。」

私は立ち上がって、佐川さんに頭を下げた。
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