あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
本当に昨日からみっともない姿ばっかりさらしている。
せっかく好きだって言ってくれた相手なのに…。
「萌香。」
その優しい声に私は顔を上げた。
「萌香は俺をどれだけ惑わす気?」
意外な言葉に立ちつくす私。
「…言っただろう。どんな萌香でも受け止めてやるから。どんどん自分の気持ちを俺にぶつけろ。」
また泣いちゃうよ…。
ぐずりかけた私に呆れたように私を眺める佐川さん。
「よく泣く奴だな。」
佐川さんは私の腰に腕を回した。
「佐川さんが優し過ぎるから…。」
もうそれ以上の言葉は繋げなかった。
温かい佐川さんの唇。