あなたに包まれて～私を分かってくれる人～

もう一度呼んだ私の声に、ハッと我に返ったかのような郁也さん。

「もう一回顔を見て言ってよ。」

郁也さんはそんな無茶な事を言う。

「無理です。」

その呆けた表情のまま、郁也さんは私にキスをした。

今度はなかなか離れない。

私は少し苦しくなって、郁也さんの胸をたたく。

「ん？」

私の顔を覗きこむ郁也さん。

「…苦しいです。」

正直に私は伝えた。

それに大笑いする郁也さん。

私もそれにつられて笑ってしまった。

幸せすぎる…。

私は思わずこう思ってしまった。