あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
やっぱりとっさの時はいつもの馴染んだ呼び方になっちゃうよね。

それより…。

「ああ~。」

少し焦げたハムエッグ。

さっきコンビニで買って来た簡単な材料で作る朝御飯。

今日はそれにパンぐらいしかない。

「今日の帰りは買い物に寄って来ますね。」

私は食べながら、キッチンの周りや冷蔵庫の中を思い出す。

本当に何にもないんだから。

帰りは大荷物になりそう。

「ほら、これ使え。」

郁也さんは私にキャッシュカードを渡した。

私の驚く顔を見て、郁也さんは言った。

「萌香の事は信用しているから。多分かなりの額になるだろう?」

確かに…。

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