あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
はあ~。

こっちの方がやばいんじゃ…。

「社長、何の話?」

ますます目をキラキラさせて、小夜子さんは社長と私を交互に見る。

「あの…、退職はまだしません。」

私がそう言うと、社長はびっくりいている。

「佐川の親父さんは、すぐにでも話を進めそうな感じだったぞ。」

社長がそう言った途端、そこに郁也さんが入って来た。

事務所から少し声が漏れていたんだろうか。

「社長、その話はその辺で。今二人で相談中ですから、もう少し答えを待って頂けますか?」

ぎりぎりの電車で来た郁也さんは、今会社に着いたんだろう。

そしてゆっくり私に笑いかける。

「なあ、萌香。」

そうしてもう一度社長を見る。
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