あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
小夜子さんは微笑んでうなずいた。
そこで事務所内はいつもの朝となった。
朝礼が終わったようで、ぞろぞろといつものように階段を下りてくる音が聞こえる。
社長が事務所のドアを開けて言った。
「このまま出てくる。帰りは夕方になる。あとよろしくな。」
慌ただしい様子はまだ続いている。
まだその後から何人か出て行ったようだ。
今日は金曜日。
週末は忙しいから、もしかしたらみんな外へ出て行ったかな。
私はその物音が落ち着くと、届いていたFAXを見る。
外部との連絡に関しては、今は各自のパソコンのメールでやり取りする事がほとんどだ。
ただまれにこうしてFAXで用件が届く事もある。
FAXは事務所にしかないので、宛名の人に届けるのは当然私の仕事。
細かい現場の工程表が掛かれているFAXは、山根さん宛だった。