あなたに包まれて~私を分かってくれる人~

そう頷くと佐川さんはさっきと同じように、今度は工務課のミーティング用の机に段ボールを置く。

こちらの工務課は全員がそろっていた。

工務課はその日によって、会社に居る人と居ない人が予定次第。

でも今日のように全員がそろっているより、全員が居ない日の方が多い。

「新しい作業着か?」

工務課の主任、山崎さんが私に聞いた。

「はい。」

私がそう言うと、山崎さんはみんなに声をかけてくれた。

「おい、自分の頼んだサイズを取りに来い。」

それまで自分のデスクでパソコンに向かっていた工務課の人が、ぞろぞろと集まって来た。

私は段ボールから作業着を出して、見やすく並べる。

「何だ、佐川のもあるのか。」

山崎さんは言った。

「ええ、注文時にはまだ辞める予定じゃなかったですから。」
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