あなたに包まれて~私を分かってくれる人~

「それは良いですね。」

私もうなづいた。

これで少し気持ちが楽になった。

山崎さんの期待に無事答えられそうだ。

「ありがとうございます。これで社長や山崎さんにちゃんと報告が出来ます。」

私がにっこりと笑うと、郁也さんはバツの悪そうな顔になった。

「萌香、山崎さんに何か言われた?」

「二人で出掛けて買いに行っても良いぞって言われました。」

私はその時の事を思い出して、ちょっと言いにくかった。

「ごちそう様。」

そこで郁也さんは箸を置いた。

「何だか山崎さんは俺の気持ちを気づいているような気がしているんだ。」

ちょっと照れくさそうな郁也さんの顔。

「会社を辞めると言ったら、相原さんの事は良いのかと聞かれたんだ。」

確かに記念品の準備も本当に大丈夫か念を押されたな。
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