あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
そう言えばよく思いがけない所にいる郁也さんに、私は驚く事が多いような気がする。
郁也さんの腕が私の首に回る。
「キスして良い?」
いつもはそんな事を聞いた事もないのに…。
「ダメって言ったらどうします?」
私は郁也さんの耳元で囁いた。
郁也さんの耳が赤くなった。
あれっと思った瞬間、私は郁也さんに抱き上げられていた。
「えっ?」
想像もしていなかった郁也さんの行動に、私は驚く。
「萌香は俺を惑わす。」
そう言ってのしのしと向かっているのは…、きっとあの寝室。
「郁也さん?」
私は落ちないように郁也さんの首に手を回す。