あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
そう私が耳元でささやくと、郁也はガバッと顔を上げた。

「何言っているんだ。俺の方がありがとうだ。」

そして私の首筋にキスをする。

一度顔を上げると、今度は唇同士のキス。

とっても私は幸せ者だ。

「ねえ、萌香。」

「ん?」

まだ私は身体がだるくて、うつろに答える。

「やっぱり早く結婚しよう。待てない。」

今度は布団の中で急に抱きつかれて、私は目を丸くする。

「…ダメだよ。やっぱりちゃんと私なりに筋を通す。でも半年で一緒に住むのなら、あともう少しじゃない。」

その頃には、秋になる。

「萌香はやっぱり頑固だな。」

私は郁也の顔を見ようと、郁也の胸から顔を上げた。

「ん?」
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