あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
14
朝、気持ちよく目が覚めた。

その横にはもちろん郁也の顔。

「近い…。」

昨日しっかり身体を重ねたはずなのに、まだ郁也にドキドキする。

この数日で恐ろしいくらい変わってしまった郁也と私の関係。

でもそれは今まではきっかけがなかっただけで、きっともっと時間がかかっていたとしても、こうなったのは自然な流れだっただろう。

私は思わず郁也の顔に手を伸ばす。

本当にこの人とつながったんだ。

私の初めてを捧げた人。

そう思うと照れくさいが、とても心が穏やかになる。

「…結婚か…。」

ついこないだまで彼氏すらいなくて、夢のまた夢ぐらいに思っていた。

「こんなに幸せで良いのかな…。」

私がぼそりとそうつぶやくと、郁也が目を開けて微笑んだ。

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